
ビレッジ戦略視察セミナー 2025年9月2日開催 競争から共創へ リベロホームの取り組み
エフェクチュエーション
先の読めないVUCA時代、従来の「予測して計画する経営」だけでは、意思決定から実行までのタイムラグが致命傷になります。そこで注目されるのがエフェクチュエーション(Effectuation)──“いま手元にある資源×仲間づくり×小さな実験”で未来をつくり出す思考法です。
本記事ではその要点と、リベロホームがどのように計画外のアライアンスから価値を拡張してきたかを整理します。
エフェクチュエーションとは
effectual(効果的な)+ tion(働きかけ)= effectuation
成功する起業家・経営者に共通してみられる、予測に依らずコントロールできる範囲から動く思考プロセス。従来とは異なる思考プロセスといえる

開発途中のミスから生まれたポストイット
5つの原則(要点)
- 手中の鳥(Bird-in-Hand) 「自分は誰か/何ができるか/誰と繋がっているか」から始める。
- 許容可能損失(Affordable Loss) 失ってもよい時間・お金・評判の上限を先に決め、小さく試す。
- クレイジー・キルト(Crazy Quilt) 先にコミットしてくれる仲間と縫い合わせるように協働を広げる。
- レモネード(Lemonade) 予想外や偶発を“レモンをレモネードに”変える発想で資源化。
- 操縦士(Pilot-in-the-Plane) 予測不能を嘆かず、自分がコントロールできる行為に集中する。
コーゼーション=「予測して目標へ」。エフェクチュエーション=「手段から仲間を縫い合わせ、起きた出来事を資源化してゴール自体を共創」。
エフェクチュエーションとコーゼーション
要点比較
エフェクチュエーション | コーゼーション | |
---|---|---|
考え方 | 手段から始まる(Who/What/Whom) | 目的から始まる(Goals) |
市場 | 創造する(Co-create) | 発見する(Discover) |
未来 | 予測不可能 → コントロール重視 | 予測可能 → 予測にもとづく計画 |
ロジックの対照表
エフェクチュエーション・ロジック | コーゼーション・ロジック | |
---|---|---|
出発点 | 手持ちのリソース(Means) | 目標(Goals) |
行動原理 | アライアンス(Strategic alliance) | 競争(Competition) |
不確実性への姿勢 | コントロール(Controlling) | 予測(Prediction) |
依って立つ情報 | 実際に起こった突発的出来事(Contingencies) | 既存の知識(Preexisting knowledge) |
判断基準 | 許容可能な損失(Affordable loss) | 期待リターン(Expected returns) |
※ 概念整理:SarasvathyのEffectuationに基づく要約(編集・加筆)
ケース:リベロホームで起きたこと
- 情緒価値の言語化
- 「感情的価値(情緒価値)」というキーワードが住宅設計・提案の軸を変え、“暮らし方面積”の発想へ。
- 庭(外構・グリーン)の導入
- 住まいの内外をつなぐ提案に踏み込み、体験価値が増幅。
- 偶然の出会い → アライアンス
- 店長(経営者)との出会いから、領域横断の協働が生まれ、計画外の広がりが連鎖。
- 地域への展開
- 共創のエコシステムが形成されつつある。
まとめ
本セミナーは、住宅業界の「競争」から「共創」への転換を実践するリアルな現場を体感し、具体的な事例と戦略を学べるまたとない機会です。
「暮らし方面積」を拡張し、地域に愛される工務店へ。
これからの未来を共に描いていきませんか?