
世界観とブランディング
「なぜあの店は続き、あの店は消えていくのか?
― 「世界観がつくる“選ばれる理由”“おしゃれ”だけでは集まらない」―
人が本当に集まる場所に共通する、本質とは?
はじめに
この問いに答える鍵は、「何を売っているか」ではなく、
「何を感じさせているか」にあります。
そして、その“感じさせているもの”こそが「世界観」です。
今、ビレッジ戦略に求められているのは、
“にじみ出る世界観”をどう設計し、育て、広げていくかです。
はじめに.. 1
よくある3つの“ズレ”と、本当の意味.. 3
誤解①:ビレッジ戦略=“おしゃれなカフェや観葉植物店をやればいい”. 3
誤解②:SNSをやればいい.. 3
誤解③:イベント=集客であり、集客数がゴール.. 3
なぜ、あの場所には人が集まり続けるのか?.. 4
【1】買い物系施設の共通点:「買い物+〇〇」がある.. 4
【2】エンタメ系施設の共通点:「感情を動かす演出」がある.. 5
【3】アート・学問系施設の共通点:「知と感性が共存」している.. 6
世界観とブランディングの違い.. 7
世界観が先、ブランディングは後。.. 7
一方で、「世界観」だけあっても届かない時代.. 7
世界観から始める、ブランドづくりの6ステップ.. 9
「整える」前に、「掘り起こす」.. 11
世界観具体例.. 11
SOLSO FARM(ソルソファーム)/川崎.. 11
FUGA(フーガ)/表参道.. 11
garage(ガレージ)/浜松・東京等.. 11
世界観が強く表現されている企業の代表例.. 12
Apple(アップル).. 12
スターバックス(Starbucks).. 12
無印良品(MUJI).. 12
Patagonia(パタゴニア).. 12
ブルーボトルコーヒー(Blue Bottle Coffee).. 12
Dyson(ダイソン).. 13
任天堂(Nintendo).. 13
結論:世界観とは、“選ばれ続ける理由”の根である。.. 15
よくある3つの“ズレ”と、本当の意味
グリーン雑貨店や地域の小商いが「集客」や「ブランドづくり」に取り組むとき、私たちが陥りやすい3つの誤解があります。
誤解①:ビレッジ戦略=“おしゃれなカフェや観葉植物店をやればいい”
おしゃれな店構え、センスのいい雑貨、整った植栽。それ自体が目的になってしまうと、「なんとなく雰囲気があるけれど、なぜか続かない店」になります。
本質:店舗を通じて“共感と関係”を築く仕組みである
ビレッジ戦略の核は、店やイベントを通じて人と人、人と地域がつながる“装置”をつくること。おしゃれさは手段であって、本質は**「関係性の設計」**にあります。
誤解②:SNSをやればいい
Instagramや動画投稿を頑張っても、思ったようなターゲット層が来ない――これは多くの店舗が直面するリアルな悩みです。例えばイベントを実施するとセコい顧客が集まったなどの店長の声です。
本質:SNSは“世界観や関係性”を届ける手段にすぎない
SNSは道具であって、目的ではありません。大切なのは、“どんな世界観を、どんな言葉や空気で伝えているか”。共感がなければ、投稿は流れていくだけです。逆に言えば、自店の世界観が明確であれば、SNSは非常に強力な媒介になります。
誤解③:イベント=集客であり、集客数がゴール
「マルシェで何人来たか」「インスタで何人反応があったか」数値だけをKPIにしてしまうと、“一度きりの来店”で終わってしまう構造になります。
本質:イベントは“語りたくなる体験”の入口。その後の関係設計が本体
イベントの役割は、“初めて会う場”としての起点をつくること。
その体験が記憶に残り、共有され、再訪の理由となるには、**来た後の接点設計(SNS・LINE・対話・ニュースレターなど)が欠かせません。むしろ、「誰が来たか」「どう関係が育ったか」**をKPIにすべきなのです。
誤解 | 本質 |
ビレッジ戦略 =“おしゃれな店をやればいい” | 装置を通じて共感と関係を築く仕組み |
SNSをやれば若い人が来る | SNSは世界観や関係性を届ける手段にすぎない |
イベント=集客であり、それがKPI | イベントは**“語りたくなる体験”**の入口。 その後の関係設計が本体 |